高分子材料・機械・加工方法の研究・調査・分析・解析・開発支援等
高混錬スクリュによるコンパウンドレス成形
1. 射出成形機用各種スクリュの設計製作

(1)偏芯フライトスクリュでの分散促進にCMHでの高分配混錬を行い、均一混錬を行う。
特許第3350211号、特許第3378633号、他
(2)LFT、D-LFT用等、各種樹脂用スクリュの開発しており、用途に応じて提供します。



CMHの分配混錬数
(標準CMHは約1000回の分配混錬を行います。)
標準採用CMHは約1000回の分配混錬で、品質向上が図れます。
MB成形も可能となります。
2. 高混練スクリュによる展開

多条偏芯フライトにより、スクリュとシリンダの間で剪断力が多様化され、均質な混錬が可能となります。
応用例1 ペットボトル用パリソンの高品質成形
PETボトルコールドパリソン成形

フルフライトスクリュは剪断をPET樹脂にかけすぎて溶融樹脂温度が高くなり、アセトアルデヒドの発生が多くなっています。 また、ミクロ的には、ばらつきが出ている。
アセトアルデヒド:3μg以下目標を達成、キャビテイー間のばらつきも最小となり、内容品の味の変わらないボトルとの評価を得ました。
金型:64個取り成形
応用例2 3元系PP材料の直接成形比較
高分散、高分配スクリュにより、ポリプロピレン、タルク、エラストマーの射出成形方式での直接成形が可能で、脱コンパウンディングによるコストダウンが図れます。
自動車内外装用タルク強化PP樹脂の直接成形品の物性
直接成形でコンパウンド品と同等の物性を得ることが出来た。

注記:図中の記号
COMP:押出機によるコンパウンド材料
CMH:PP、EPDM、タルクをCMH付き射出成形機で直接成形
応用例3 自動車用バンパー材での面衝撃時の比較
フルフライトスクリュではゴム粒子の分散不良によりノッチ効果による脆性破壊が発生する。

応用例4 高分配混錬スクリュでの応用例(PP、チョップドGF直接成形)

プラスチック材料と強化繊維を直接成形(D-LFT成形)を行います。高分配混錬により触繊の向上と繊維長の保持を実現しました。
D-LFT成形用樹脂の構成
D-LFT成形の樹脂は以下の要領で構成されます。
1 強化繊維: ガラス繊維または炭素繊維で、 部品の強度向上を図る |
繊維の種類及び物性は、成形品の要求値に合わせて選定すること表面には、樹脂との密着性をよくするサイジング剤が塗布されていること。 |
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2 熱可塑性樹脂 | 【ポリプロピレン樹脂】 成形時に強化繊維内に、良く含浸すること。 要求強度物性に合わせて、選択すること。 【PA(ナイロン)樹脂】 成形品の要求強度物性に合わせて選択すること。 【PC(ポリカーボネート)樹脂】 同上 |
3 樹脂用添加剤 | PP樹脂では特に、強化繊維との密着性をあげるために、相溶化剤を添加する。特に炭素繊維では重要である。 |
4 難燃材 | バッテリーケースカバーは難燃性が要求され、難燃化等級はV-0が要求される。難燃化剤は粉末では成形が困難であるために、成形時はマスターバッチを購入し使用すること。 |
応用例5 カセットの直接成形による単軸スクリュでのコンパウンド物性比較

ビデオカセット、オーディオカセットを粉砕し、テープと金属を取出し、そのままリサイクル成形をすることが可能となり、リール材とケースの分離などが不要となります。
応用例6 食物廃棄品とプラスチックの混錬
食物廃棄物とプラスチックを混錬し廃棄物を再利用することで環境改善に貢献します。
例:籾殻・茶葉(緑茶・紅茶など)

多品種小ロット生産システムへの対応・強化
多品種少量生産におけるCO2削減対応
成形加工でのJIT(Just 1m Time)成形による、必要数のみの小ロット生産の実現を図り、在庫を“0”とすることが可能になりました。
成形時の無駄の削除
受注生産業での小ロット生産及びコストダウンの要求に対して、その対応に苦労しています。
この問題の解決案の例を報告します。
応用例1.少ロット生産で、段取りの無駄が発生する。
1 金型交換での無駄(成形機メーカー、専門メーカーを紹介します)
2 樹脂替え、色変えによる廃却樹脂の削減(特許出願中)
スクリュを交換することで、廃却樹脂を削減します。
対応するスクリュ:従来のメーカー標準の硬質クロムメッキに変えて新開発スクリュ(特許出願中)に変更すること、及び滞留の少ないデザインにより、色替、樹脂替えの無駄を削減します。



応用例2.樹脂コストの削減
成形品コストの60%を占めるといわれる樹脂のコストを低減する。
高分散スクリュを使用して、従来の着色ペレットから、MBへの変更、
リサイクル樹脂の組み合わせ等により樹脂コストの削減を推奨する。
システム設計・成形解析・テストピースの作成 他
プラスチック加工装置機械の企画・開発
長年のプラスチック機械装置の設計、研究開発を通じて培った技術を基に
顧客様のご要求に合う装置の提案、製作販売を行います。
上記以外に、縦型機用および横型機用 4 軸平行度制御装置 等も提供可能です。

所有機の改造により、サンドイッチ成形、2材成形が可能になります。
色替え、樹脂替えテスト、樹脂混錬分散テスト、サンドイッチ成形テスト等の要求に対しては、弊社の所有設備でのテスト対応をいたします。
サンドイッチ成形トライは、株式会社共和工業(新潟)様で、650,850,1500,2500トン成形機でのテストが可能です。
多品種小ロット生産は今後も増えると思いますので、この合理化方法の検討考えてください。
研究例 繊維強化樹脂(LFT)成形技術

スクリュ内での繊維長を測定。CAE結果との比較し、スクリュ設計の検証を実施します。
バッテリーカバーの軽量・低コスト化
チョップド強化繊維(ガラス繊維、炭素繊維)とポリプロピレン樹脂(またはPA樹脂、PC樹脂をそれぞれに計量し特殊スクリュ(特許取得済)に投入し、分配混錬を行い、必要重量を計量したのちに、プレス内の金型に射出する。